赤十字国際委員会と国際人道法
昨日(2月3日夕刻)、赤十字国際委員会(International Committe of the Red Cross/ICRC)の駐日事務所の発足記念パーティに呼ばれて行ってきた。場所は、日比谷公園脇のプレスセンタービル10階のレストラン・アラスカ。VIPクラスの要人から、日赤関係社、各国の大使館、日本の政府各省(防衛省、制服組を含む)、プレス関係者、NGO、学界関係など多彩な人々が集まっていた。中心となっているのは、駐日事務所長の長嶺義宣さんを始めとする30歳前後の若いスタッフである。
日本にはこれまでICRCの支部組織は置かれていなかったが(1942年から47年までの間、臨時的に置かれていたらしい)、これを契機としてICRCと日本との連携関係が深まっていくものと思われる。
ところで、赤十字というと一般に日本赤十字社(日赤)をイメージするかと思われるが、ICRCは日赤とは兄弟みたいな関係ではあるが、別個の組織である。日赤は、わが国の赤十字社法に基づく認可法人であり、各国の赤十字社やICRCとは連携、協調の関係にある。また、ちなみに、日本での赤十字活動の原点は「西南の役」の際に、薩軍と官軍とを分け隔てなく看護した活動にさかのぼるとされている。「博愛社」の設立がそれである(明治10年)。
ICRCは、戦争や内乱などの武力紛争の際に、捕虜の人道的な待遇が確保されているかどうかとか、武力紛争の下で苦しんでいる一般の人々に対して救援を行ったりする組織である。
ICRCの歴史は、150年前にさかのぼる。当時の、イタリア独立戦争の際のソルフェリーノの戦い(1859年)において、傷ついた兵士たちの悲惨な状況を知ったスイス人のアンリ・デュナンは、スイスに帰国後、当時の各国に呼びかけて敵味方の区別なく傷病兵を看護するための組織を作ることを提案した。これが契機となって赤十字が発足することになる。
以来、赤十字諸条約とかジュネーブ協定とよばれれる国際人道法諸条約の下でICRCは、中立の立場で様々な人道的な活動を行っている。ジュネーブ諸条約が採択されてから今年で丁度60年目の節目にも当たる。
最近の国際社会でもイスラエルによるガザ地区爆撃、南オセチア問題、ダルフール問題、ソマリア、イラク、アフガニスタン、スリランカ、ミャンマーなど枚挙にいとまがないほど人道上の危機が存在する。それらの危機は、我々日本や他の国の平和にもいろいろな形で影響を与えている。国際人道法の遵守を呼びかけ、実際に現地で避難民の犠牲者のために活動しているICRCの活動は貴重である。一般の市民としても、国際人道法の内容やICRCの活動の実態を理解をする必要があるだろう。そのような意味でも、学界関係者に対する期待がある。
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